英語の速い会話についていくことができない…
TOEICのスコアが伸び悩んでいる
シャドーイングが効果的と聞いたけれど具体的なやり方が分からない
基本的な英文法や語彙の知識はあるけれど、そこからの上達方法が分からない、という方は多く、
この状態がずっと続くとモチベーションの低下につながり、ここで挫折してしまうケースは非常に多いです。
私は高校3年生で初めてTOEICを受験し、そこから10年かかってやっとTOEIC 935点を取得できました。
この10年間、英語学習において多くの挫折を経験し、遠回りもしてきました。
そこで、今回は、私がTOEIC500点台から700点台まで伸ばすことができた、シャドーイングのやり方について、
シャドーイングが初めての方にも分かりやすく、具体的な方法を解説したいと思います。
この記事を読めば、シャドーイングのすべてが分かり、英語の伸び悩みを打破することができます。
シャドーイングを続けることで、TOEICのスコアが上がるだけでなく、
実際のネイティブの英会話も理解できるようになります。
現状を打破してさらに英語力を伸ばしたい方は是非読んでください。
シャドーイングとは
シャドーイングとは、音声を聞きながら音声を追うように自分も発音していくトレーニングです。
元々は同時通訳のトレーニングの一環だったそうですが、今では一般的な英語学習者にも効果的な学習方法として親しまれています。
基本的なシャドーイングの方法
シャドーイングの回数は、個人差がありますが、各フェーズで5回以上行うと効果的です。
基本的には全文が滑らかに発音できるようになるまで練習します。
シャドーイングの効果
シャドーイングは毎日継続することで上達実感を感じやすい学習方法です。
実際に口を動かしてトレーニングをするので、筋トレと同じで、継続すれば必ず効果が出てきます。
リスニングの処理スピードが向上
リスニングとは英語聞いて意味を理解することですが、
音を聞いて理解できるまでに脳の中では下記のようなステップを踏んでいます。
このプロセスが瞬時に行えるようになると、英語の音声を聞いた瞬間意味が分かるようになります。
後ほど詳しく説明しますが、シャドーイングの練習を行うことによって「音声認知」と「意味理解」の2つのスキルを磨くことができ、最終的に英語を英語の語順のまま瞬時に理解できる状態になります。
リーディングスキルも向上
意外かもしれませんが、シャドーイングの練習によってリーディングスキルも向上します。
なぜなら、シャドーイングでは、文の意味の塊ごとに理解して発音するという練習を行うので、
文章を読むときも、日本語に訳したり、返り読みしたりせずに、英語の語順のまま英語を理解できるようになります。
自然な発音やイントネーションが身につく
シャドーイングでは、スピーカーの話し方を完全にモノマネすることが非常に大切になります。
ただひたすら音声を発音するだけでなく、スピーカーの状況や感情も考えながら話します。
このような練習をしていると、実際に英会話をするときも自然な発音やイントネーションで話すことができ、
より伝わりやすい英語を話せるようになります。
自分の苦手箇所を発見できる
音声を聞いたあと、スクリプトを見ながら自分が聞き取れなかった箇所はどこだったのかを探すことで、自分の苦手な発音や単語を見つけることができるのもシャドーイングの魅力です。苦手な単語や発音は、ただ知らないだけ、ということが大半です。
音と意味を確認し、脳にインプットすると次からははっきり聞こえるようになります。小さく思えるかもしれませんが、これが英語学習における上達です。
シャドーイングには2種類ある
シャドーイングには、音声を文字として理解する力を身につけるための「プロソディーシャドーイング」と
文字として理解したあとちゃんと意味を理解する力を身につけるための「コンテンツシャドーイング」の2つの種類があります。
先ほどのシャドーイングの効果のところで説明した「音声認知」「意味理解」それぞれの段階にアプローチする形でトレーニングしていきます。
まず、「リスニングができない」という課題をもっと細かくかみ砕くと、たいていの人は下記の3つのどれかに当てはまるでしょう。
① 音声を聞いても文字として理解できない
② 音声を聞いて、文字は思い浮かぶが瞬時に意味理解ができない
③ 音声を聞いて、文字は思い浮かぶし意味も理解できるが、覚えていられない
①に当てはまる方は「音声認知」のスキルが足りていません。
例えば、”recognize”という音声を聞いて、”recognize”という文字が頭に浮かんでいないのです。
このタイプの方は「プロソディーシャドーイング」のトレーニングを重点的に行うことがおすすめです。
②に当てはまる方は「意味理解」のスキルが足りていません。
例えば、”recognize”という音声を聞いて、”recognize”という文字は思い浮かぶけど、それが「認知する」という意味だと瞬時に理解できない。
このような方は「コンテンツシャドーイング」のトレーニングのほうが効果的です。
③に当てはまる方は、「音声認知」に脳の多くのリソースが割かれすぎて、意味を記憶しておくことができない状態です。
このような方は、「プロソディーシャドーイング」を多めに、「コンテンツシャドーイング」も同時に継続することで、シャドーイングの効果を感じられるでしょう。
また、「リピーティング」といって、音声を聞いたあとに、そのまま繰り返して発音する練習も効果的です。
具体的なシャドーイングのやり方
それでは、ここからは具体的なシャドーイングのやり方をステップごとに解説していきます。
この通り実践していただければ、着実にリスニング力を向上させることができます。
また、使うリスニングの教材はご自身が8割ほど理解できる内容であれば何でも構いません。
私はTOEICのPart 3 とPart 4をシャドーイングの教材として使っていました。
TOEICの教材は解説も丁寧ですし、これを使ってシャドーイングすればTOEICのスコアも100~200点伸びること間違いなしです!
STEP 1
スクリプトを見ずにまずは音声を聞く。
いきなりシャドーイングを始めるのではなく、
まずは自分がどれくらい音声を拾えるか把握します。
TOEICのPart 3やPart 4を使用する場合は、問題まで解いてみましょう。
STEP 2
一通り音声を聞き終わったら、スクリプトを精読します。
精読の際には下記の3点を注意しましょう。
- 自分の理解がどこまで正しかったか
- 分からない単語はないか
- 発音のしかたが分からない単語はないか
英文を読んだだけでは意味が掴めない場合は和訳も参考にしてください。
※英文を読んでも半分以上意味が分からない、という場合は教材が難しすぎる可能性があります。
英文を読めば7~8割理解できる教材を選びましょう!
STEP 3
スクリプトを読んで英文の理解を深められたら、ついにシャドーイングを始めていきます。
ここでやるシャドーイングは「プロソディーシャドーイング」です。
つまり、音声を文字として理解する力をつけるためのトレーニングですね。
まずはスクリプトを見ながら実際の音声から2~3語遅れて発音していきます。
これを最低でも5回練習してください。
最初は速くて口が回らない!と感じるかもしれません。
その場合は、一旦音声を止めてスクリプトを音読し、スムーズになるまで練習します。
abceedのアプリで音声を流す場合は、音声の速さを0.5~2.0倍速まで細かく調整することができるので、実際の音声が速すぎると感じる場合は速さを少し遅くして練習してみましょう。
STEP 4
プロソディーシャドーイングによって、一つひとつの英単語を認識できるようになったら、
次はスクリプトなしでシャドーイングを行います。
この段階でもまだ、プロソディーシャドーイングです。
スクリプトなしでもスムーズに発音できるようになるまで5回以上繰り返し練習します。
STEP 5
次はスクリプトなしでコンテンツシャドーイングをします。
コンテンツシャドーイングなので、音声を聞きながら音を真似するだけではなく、英文の意味も想像しながら発音していきます。
こうすることで、英文を聞いたときに瞬時に意味が理解できる力が身につきます。
これも最低5回は練習しましょう。
STEP 6
最後は、和訳文を見ながら英訳ができるか確認します。
一文いちぶん、日本語を見て英訳していきます。
英訳するには、ちゃんと文章の意味や文法が分かっていないとできませんので、
シャドーイングをしながら身につけた知識をアウトプットするつもりで英訳します。
ここまで行うことで、知識がしっかり定着し覚えたことを忘れにくくなります。
シャドーイングの注意点
絶対に毎日継続すること
リスニングにかなり効果のある学習方法と言われているシャドーイングですが、
やはり毎日練習しなくては効果が出ません。
週2,3回とか、ぽつぽつやっていても意味がありません。
毎日できれば30分、シャドーイングのための時間を確保してください。
30分取れなくても10分でも5分でも大丈夫ですので、とにかく最低3ヶ月は毎日行うことを意識してください。
スクリプトを暗記してしまわないこと
何度も何度も同じ文章の音読を繰り返すので、多少覚えてしまう部分は出てくるかと思いますが、あくまでもシャドーイングは聞こえた音を「モノマネ」することが本質だと理解してください。
暗記してしまうと、スピーカーに追いついてしまって、スピーカーよりも速く話してしまったりしますが、これではシャドーイングになっていません。
シャドーイングの鉄則として下記3つを覚えておいてください。
- 必ず2~3語遅れて話すこと
- 聞こえた音をモノマネすること
- 聞こえた単語や文の意味を想像しながら発音すること(コンテンツシャドーイングの場合)
自分のレベルに合った教材を使うこと
自分のレベルに合わない教材を使ってしまうと、上達が遅くなります。
判断基準としては、英文を読んでみて7~8割理解できる教材を選びましょう。
また、シャドーイングを開始するレベルとしては中級レベルの方からがおすすめです。
ある程度、基本的な英文法・単語・発音の知識がある状態でシャドーイングを始めたほうが早く効果が出ます。
初心者の方がシャドーイングを始めようと思うと、スクリプトを読んだ時点で分からない単語や発音がたくさん出てきてしまい、それらを調べるのに時間がかかってしまうからです。
中級レベルの方には、TOEICのPart 3・Part 4をシャドーイングの教材としてお勧めしています。
シャドーイングがうまく出来ないときは
2~3語遅れて発音していく、というのは実はなかなか技術がいることで、
かなり練習しないとできるようにならないケースも多々あります。
その場合は、下記を試してみてください。
音声を一旦止めてスクリプトを音読
そもそもスクリプトの文章がうまく読めていない、なんてこともあると思います。
そういう人は、スクリプトの精読をする際に音読も何回か練習することをお勧めします。
そのようにして口を慣らしてからシャドーイングすると上手くいきますよ。
0.5倍速~0.8倍速でやってみる
音声プレーヤーの機能にスピードを調整する機能があるのであれば、
少しスピードを緩めてシャドーイングに挑戦してみましょう。
慣れてきたら1倍速に戻すつもりで。
スピーカーのボリューム>自分の声の大きさ になるように調整する
スピーカーのボリュームが自分の声にかき消されてしまって、音声が聞こえない、なんてこともあります。
シャドーイングに理想のボリュームとしては、自分の声の大きさよりも少しスピーカーのほうが大きいくらいです。
スピーカーのモノマネをするには、かなり集中して聞いていなければできませんので、
自分の声よりスピーカーの音声に集中できるような環境を作りましょう。
まとめ
英語中級レベルの人が伸び悩みから脱却するための具体的なシャドーイングのやり方を解説いたしました!
シャドーイングは何よりも、楽しんでやることが大切です。
英語を発音することが楽しい、好き!と思うことが上達への一歩です。
楽しみながら毎日継続することで理想の英語力を身につけましょう!
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